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一方そんな村上達を知る由もなく横山が登校して来た。
現在1時限目と2時限目の間の休憩時間。
いつもなら直ぐに声を掛けるのに村上は全く気付かない。
それもそのはずで、横山は髪の毛を黒く染め直していたのだ。
微妙にざわめく教室内にハッと顔を上げ村上は横山を見付けた。
が…零れそうなほどの垂れ目を見開いて座ったまま、ただ見つめていた。
その様子に渋谷が不思議そうにするが、惜しくもチャイムが鳴り自分の教室へ戻らなければならなかった。
(本当に染めて来た…)
村上は横山がこちらの視線に気付かぬ内に顔を背け次の授業の準備をする振りをしながらチラッと盗み見ていた。
村上の悩み事はコレだった。
田舎の高校生には、金髪でどこか日本人離れしている横山は何となく近寄りがたかった。
けれど村上は興味心が勝ち、話し掛けるようになって仲良くなり自分だけが横山の理解者だ…と、浮かれていた矢先。
何故か滝沢と仲よさ気にしている現場を目撃した。それから数日後…今に至る。
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