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「ちょっ!マルっ、今えぇとこやったのに邪魔すんなや」
「いくら村上さん相手でも駄目です!」
ぴしゃりと言い渋谷を黙らせた丸山に横山はただ目を見張り右腕を上げたまま動けずにいた。
「まる~すばるんこと怒んなやぁ…まるがおーくらといちゃこらしとるからいけないんやでぇ…」
村上が頬をぷくっと膨らませ丸山を注意する。その言葉を聞いて丸山は慌てて渋谷の顔をジッと見つめた。
「…すばる、くん?」
ここまで見せられて横山はやっと気付いた。
(こいつら…付き合うてるんや…)
周りを見れば安田、大倉は目線を逸らすし滝沢はニコニコしている。
そして肝心の村上は錦戸にもたれ掛かっていた。
「したら、ひなくん、僕とチューしましょうか?」
「えー?亮とするん?ひろに怒られてまうでぇ…」
トロンとした瞳で村上は答えるが錦戸はがっちり腰を抱きしめていた。
「あ、ひろってのはひなの弟だよ…」
隣の滝沢がサラっと説明してくれた。
弟ならなぜこの家に居ないのだろうか…と疑問に思い滝沢を振り返ろうとした瞬間背中に温かい感触と重みが加わった。
「よこぉ…」
その正体は村上だった。頬を赤くしとろんと熱を帯びた瞳で首を傾げている。
「ちょ!村上!?」
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