始まりのような・・・

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「…はぁ」 怠そうに答え席を立ち黒板の前に立ちチョークを持つ。 教室中の誰もが『あいつ解けるんか?』と各々胸に秘めながら見守る。その中でも村上の視線は更に熱かった。 そんな外野の思惑など知るよしもない横山は、先月居た学校での授業を思い出しながらスラスラと解いていた。 「コレでえぇですかね?」 殊更丁寧にチョークを置く横山に苦笑いの教師。 「おぉ、よう出来てるわ…」 「席戻ってえぇですか?」 ふんっ、と言い捨てるように席に戻るとしばしざわつく教室内。 めんどくさくなって横山は教師の解説も右から左に受け流すように、ほお杖を付いて窓から空を眺めた。 .
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