167人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
ふと、村上が涙を浮かべているのに気付いたちっこい男渋谷は慌てて近寄り顔を覗き込む。
「ひな?」
「あ、べ、別に泣かされた訳とかちゃうから…」
追求してきそうな黒い瞳にたじろぎながら村上は瞬きをして涙を散らそうとする。
それを見兼ねて横山は今のうちに帰ろうと薄っぺらい鞄を持ち踵を返そうとした所で村上から声を掛けられてしまった。
「ちょ、横山くん!話まだ終わっとらんって…」
その一言で渋谷の視線が一気にに横山に突き刺さった。
.
最初のコメントを投稿しよう!