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何もない街道をあすかと2人歩く。
あすかは出発前に雑貨屋に寄って手作りのアクセサリーを購入しさっそく身に付けていた。
ブルーの勾玉がついたイヤリングとブレスレット。
それらをキラキラと輝かせながら、背中に大きなリュックをしょって私の少し前をルンルン気分で歩を進める。
旅の荷物はほとんど彼女が持ってくれている。
見た目は華奢にみえるものの以外に力はあるのだ。
私の荷物はというと腰に巻いたウエストバッグと肩から斜めにかけた少し大きなショルダーバッグだけ。
身軽とは言うものの持っているものは依頼書や金品など。
だから同業者などがいつ襲ってくるか分からない状況。
その為たえず、腰に据えたナイフに手をやり周囲に注意を払う。
ビクター街から次の村 アリーナまではさほどないというものの丸2日はかかる距離。
途中どこかで夜を明かし、同時に盗みの計画も一緒に考えなければならない。
しばらく歩くと立て札が見えた。
私は街でもらった地図を取り出しながら立て札に歩み寄る。
右に行けば目的地のアリーナ村、左に行けばセリーフ村と書かれていた。
それを確認した後、辺りを見回す…と、右手に人目をさえぎる事は出来そうな小さな森がある。
「あすか、あそこで今日は休もう」
そう言ってあすかに提案すると彼女は小走りでキョロキョロと辺りを見回して頷く。
「はぁい!了解!準備します」
「よろしく」
そういうと彼女は小さな森の中に入り背中の荷物を下ろしてせっせと野宿の準備を始めてくれる。
私は再度辺りの様子を窺う。
森の向こう側には小川が流れ湖面は太陽の光を反射している。
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