Another Mission【いかい】戦闘妖精&純情リス猿

6/12
前へ
/58ページ
次へ
「お互いを倒すべき怪物と思ってた訳かぁ~。 でも、どうやらここは俺の世界では無いな・・・」 ビスは回りを見渡しながら、麻理亜に答えた。 「そう・・・ でも、あなたが修業をしているとは驚きだったけど。 強くなった様に思えたわ」 麻理亜は優しい笑顔をビスに向けている。 その笑顔は、先程の冷酷さとは掛け離れた穏やかさに包まれていた。 「そ・・・そんな顔見せたって。 俺はミオ一筋だからなッ!」 麻理亜は笑顔で頷きつつ 「ふふッ・・・ 私も恋人居るからね」 「な・・・なんだって? 前会った時は任務に追われて、それどころじゃ無いみたいな事言ってたよな? なッ?」 「その任務の最中に出会ったのよ。 でも、守りたい者が居ると・・・ 人はどこまでも強くなれるみたいだわ。 猿も同じだと思うけど」 麻理亜はビスにウインクしつつ告げた。 「猿じゃ無いぞッ! ・・・・・・でもマリアの言う様に、俺も守りたい者の為に強くなりたい」 ビスは、守りたい者へと想いを馳せる様に、血の様に紅い空を見上げながら呟いた。 「そうね。 それには、まずここを出なければ。 今のところは、手懸かりはあの朽ち果てた神殿しか無いけど、行ってみるしか無いわね」 麻理亜はビスに告げると、ゆっくりと地面から立ち上がった。 「おっし、行ってみよう。 早く皆の元に戻らなきゃだし」 「ええ・・・ じゃあ行きましょうか」 二人はゆっくりとした足取りで、神殿内へと歩き出した。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加