7章・運命の日、真実の時

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星空が綺麗だ。 こうして寝転がって眺めているだけでも、その大きさと輝きに吸い込まれそうになる。望遠鏡を通して見る星とは、また違った輝き方をしているような気がする。 その望遠鏡は、今やガイがへばりついていた。ぶつぶつと呟きながらネジをあちこちいじくり回し、その横でシスカがこくこくと頷いて話を聞いている。 時折ガイがシスカに望遠鏡を譲ると、シスカは覗き込んだまま、すごいすごいと感動している。 「隣、いい?」 ネリアのらしくない声に思わず振り向く。 「え?」 「えってなによ。隣座るからね」 「う、うん……」 そう言われると、ネリアの方に意識がいってしまう。空気が濃密になったような気がする。 ぶっきらぼうで、なにかに意地になっているみたいだった。……やっぱり、怒っているのだろうか。 ネリアはそっぽを向いてしまっているので、顔は見えない。 「……ごめん」 「え?」 「い、いや……僕のせいで、色々と神経使わせちゃったし、助けてくれたのに下敷きにしちゃったし」 「別にそんなのいいわよ。気にしてない」 もごもごした僕の言葉にも、ネリアはそっけなかった。
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