7章・運命の日、真実の時

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「……怒ってない?」 「なんであたしが怒るのよ」 「だって」 なんだかツンツンしてるし、という言葉は口から出なかった。 気まずい沈黙が流れる。 「星」 ネリアがぽつりと呟いた。 「え?」 「星、きれいだね」 「うん」 答えつつも、意識はどうしてか隣のネリアにいってしまう。ちらりと見ると、ネリアは空を見上げていた。 「あたしたち以外のみんなも、この大陸の人とか、もっと遠くの人も、この空を見てるのかな」 「かも、しれないね。こんなキレイに星が見えてるし、みんな夜更かしして見てるかも」 「そうだね」 ネリアはなぜかそわそわしていた。落ち着きなく手を動かしている。目が合うとすぐにそっぽを向いてしまった。 「どうしたの、今日」 「え、え?」 「いや、なんか、いつものネリアじゃないから」 「別に、そんなことないけど」 「……そう?」 「そうよっ」 言ったっきり、ネリアは顔を背けてしまった。かける言葉が見つからなかった。 「あのねっ」 急にネリアがこちらを振り向いた。今日初めて見るその顔は、見たこともないくらいに真っ赤になっていた。 その真剣な目に見据えられ、僕はなぜかドキリとした。
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