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「で……どうなんだ。ついて行けそう、なのか、そこまでやって」
ケインの口ぶりは、あるいはリリィの行動を肯定しているように聞こえる。実際、彼もリリィと同じで、査問会に行って見届けたかったのだろう。
「うん、なんとかついて行くことは認めてもらえた。というか、院長先生がすんなりオーケーしてくれたんだけど。ひょっとしたら、先生は最初から全部分かってたのかもね」
そう言って薄く笑う。
「……あ、そろそろ切れるかも。私、これから何かあったら、そのつどこれを通して連絡します。今、あと少しで町に入るところ。入ったら馬を借りて、ヴェストリアに向かうらしいです」
「……って、馬乗れんのかお前」
ふと思ったことが口から滑り出てしまった。リリィは痛い所を突かれたように苦笑する。
「えー……相乗り、かな?
とにかく、ここまで来てしまったので、私もやれるだけのことはやります。みんな、私の勝手に巻き込んじゃって本当にごめん。私、」
フォン……という独特の音と同時、彼女がセリフを言い終わらぬうちに、像は形を失って霧散してしまった。
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