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すばるside
保健室で、俺は今一人で待ちぼうけしとる。
ヨコが出ていったきり帰ってこんねん。
次、準決勝もう少しでやるんやろ?
俺、出れへんし、せめて見にこい、って言うてくれるんかな…って思ってたんやけど…それもない。
ヒナも忙しそうやったし…
寂しい…。
と、その時、亮が入ってきた。
めっちゃキラッキラな笑顔で俺をみる亮。
わざわざ俺に会いに来たん…?
そう思ったら、なんか一気に寂しさが吹き飛んだように、逆にドキドキと熱い気持ちになった。
恋って…すごいな…
亮は、なんと次の準決勝まで勝ち抜いて、俺ら(俺はおらんけど)のチームと対戦みたいや。
面白そうやなぁ…
そう思ってたら、亮が俺に見に来ればいいと言ってくれた。
嬉しかったけど、なんか…
ヨコやヒナに誘われてへんことが気にかかった…
行ってええのかな…
でも、目の前には亮がいて、めっちゃ優しくて…
ただそれが嬉しくて、俺は、亮と一緒に行くことにした。
体育館に行くと、ヨコ達が皆揃っておった。
亮はヤスのところへ行って、俺はヨコ達の元へ行った。
話しかけにいくと、空気がなんか変な感じした。
昴「なんや~?試合前で緊張しとるんか?しゃきっとせいよ!」
なんて俺がふざけて言うても、なんもつっこんでこない。
あれれ?と思ったとき、ヨコが携帯を持っていたのに気づいた。
昴「あれ、ヨコ、携帯見つかったん?」
横「…内が、拾ってくれて」
昴「そうなんや!よかったな!どこにあったん?」
横「…c倉庫に、あったらしいで」
昴「…へ、ぇ…」
ドキっとした。
まさかc倉庫っていうワードが出てくるとは思わなくて…
横「そこでな、変な奴等がそっから出て行ったらしいんや」
えっ…と思い、ヨコの顔をみた瞬間、
身動きがとれへんくなった。
ごっつ、冷ややかな目で俺を見ていた。
これは、怒っとるときの目や…
「準決勝戦はじめます!」
声が聞こえて、ヨコは俺から目を離してコートに向かった。
ヒナも、俺を見ない。
亮だけが、俺をみてにっこり笑っていた。
俺は、どうしたらいいのか、わからなかった…。
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