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どのぐらい歩いただろう………。
緩かであるが延々と続く登り坂を進むと山道の脇の籔の奥に、大きな石碑が佇んでいるのを見つけた。
『石碑だ。』
隆博は突然、籔を掻き分け奥に入って行く。
ォレ逹も隆博の後に続いた。
『なんの石碑だろう?』
隆博はォレの問い掛けに答えないまま、石碑の周囲をぐるりと一周した。
『……わからない…』
暫く正面を見つめていた隆博が呟く様に言った。
石碑は3メートル程の大きな石で正面には何らかの文字が刻まれていた。
ただし、全体を包みこむ苔と風化した表面自体の状況からも刻まれた文字を読み取る事は出来ない。
『なんか…薄気味悪いっ』
愛梨はキョロキョロと周囲を見渡した。
『ちょっと手伝ってくれ』
隆博は、そう言うと再び石碑の裏へと消えて行く
ォレと巧は顔を見合せ、しぶしぶ隆博の後を追った。
どうやら隆博は石碑の周囲を調べている時に裏側の底に石盤の蓋らしき物を見つけたようだ。
石盤は土埃が被っており普通では発見出来なかっただろう。
隆博は足で土埃を払いのけると石盤の片隅に手をかけた。
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