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バスに揺られる事1時間半。
ォレにとっては非常に息苦しい時間だった……。
『……ったく…本当に違うバス停で一人待ってるなんて信じられんわ』
隆博は軽蔑した口振りで言い捨てた。
『リーダーっ…てさぁ』
『ホント天然だょネェ』
愛梨がクスクスと笑った。
『まっ…集合場所は間違ったとしても…一番早くから来てたんだからいいんじゃない?』
巧が…救世主に思えた。
『とにかく……すみませんでした』
バスの中でォレは……ひたすら皆に頭を下げていた。
リーダーなのに………。
やがてォレ達は、萩城に到着した。
城と言っても城跡なので正確には萩城址だ。
江戸時代を通して毛利藩の中心地であった場所だ。
『よしっ。おまえ達ついて来い』
名誉挽回を誓ったォレは奴らに大きすぎる背中を見せたまま勇ましく歩きだした。
ぜってーキザ眼鏡には負けん。
ォレは心に決めていた。
『いいか……萩は毛利の聖地みたいなもんだ』
ドヤ顔で振り向いたォレの後には…………
誰もいなかった。
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