ARE YOU READY?

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こんなことを考えはじめて半年くらいが経とうとしている。 勉強のし過ぎのあまり、頭がおかしくなったのかもしれないと自分でも思ったりもしたけど、確かに毎日が退屈だし、それは精神が異常だからというものでもなさそうだ。 「あ~ちゃん、ご飯よ~」 「はーい」 階段を下りて、ダイニングルームに向かう。 既にパパとママが座っていた。 「いただきます」 私の家庭は、はっきり言ってしまえばお金持ちだ。 パパはIT関係の研究者で、トイレとかご飯とか、生活の最低限のこと以外ほぼずっと研究室に閉じこもっている。 そんなパパは自慢のパパだけど、私に話してくれるのはいつもコンピューターの話。 「コンピューターの内部に世界をつくるんだ。今、我々がいるこの世界みたいな世界をね。それが実現すれば、想像を絶するほどのコンピューターができるはずなんだ」 「コンピューターの世界?そんなの作れるの?」 「やっと完成したんだよ。ただ、コンピューターが勝手に判断してコンピューターなりの秩序ある世界を創造しようとするから少し危険なんだが、制御装置があるから大丈夫だろう」 パパの話は、難しい。 わかるようなわからないような、ギリギリのラインの話題が多いから、美味しいはずのハンバーグも大げさに言ってしまえば、機械のような味がしてしまう。
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