完璧な計算で作られた楽園で

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シティに通うようになってだいぶ経ったけど、シティの謎はまだまだたくさんあって、むしろ謎は深まるばかり。 学校でやるどんな計算よりも難しくて複雑で、そして面白い。 だから私は今日もシティに行く。 かしゆかに会いに行く。 かしゆかは仕事中みたい。 青透明な椅子に座って、忙しそうに機械を操っとる。 こういうときは邪魔しないようにかしゆかのずっと後ろで彼女をじーっと見ていることにしとる。 艶やかでまとまりのあるその髪に私はいつもうっとりしてしまう。 「ごめんね、あ~ちゃん。もう少し待ってて」 「うん、大丈夫よー」 何じゃ、私のこと気付いとったんかぁー。
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