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時間は、7時15分・・
自転車を漕いだら遅刻にはならない時間だ。
あれ?今日学校あるのか・・
あんなに大々的に放送されているときに学校はやるのだろうか。
当たり前のような疑問に今気づいてしまった。
こんなことも普通じゃない。
普通じゃないことは楽しいが、それでも疲れる普通じゃないは余り嬉しくはない。
そろそろ出かけなければ。
俺は急いで外にでて、自転車にまたがった。
自転車は、段差のない玄関の下に置いてあるのでそのまま漕ぎ出す。
冷たい風を受けて自転車は走り始めた。
キイキイときしむ音が聞こえる。
この自転車も寿命が迫っているらしい。
父と兼用というのも考えものだ。
「ちょっと・・・」
また、あの声が聞こえてきた。
透き通るような、気配がない不気味さがある声色。
昨日会った、あの女の子の声だ。
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