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逃げることは、出来ない。
そういう結論がでてしまった。
さて、背後の人物のそれとない脅威を俺はどう切り抜けたらいいのか。
父に言われてジュースを買いに来ただけなのに、どうしてこんな目に遭わなければならないんだよ。
何か悪いことでもしたのか?
あの時、椎島の筆箱を隠したことか?
それとも、指村のバットを教室に置いたことなのか?
思い返すと、俺結構非道いことやってるな。
「こっち向いてよ!」
さすがに怒ったのか声の主は、俺の肩に手を置いて強引に俺を後ろに向かせた。
力はあまり強くなかったが、小走りで歩いていたので抵抗することも出来ず後ろに回ってしまった。
「わぁ・・・」
目の前には、黒いマントを深くかぶった赤い髪の女の子が立っていた。
身長は、マントの所為でわからないが大体俺と同じくらいと言ったところか。
整った綺麗な白い顔がまさに無邪気といった風に、にっこりと笑っていた。
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