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「あ、はい」
「いつも大変ねえ、正孝の奴いつになったら働くのやら」
正孝というのは、俺の父の名前。
おばさんは、この名前で父を呼んでいる。
昔、恋愛関係でもあったのだろうか。
そこまで考えてしまうと、自分の存在意義が無くなってしまうような気がしたのでもう考えないことにする。
「あいつも、ジュース好きだよねえ」
おばさんが、店の奥の方からジュースのペットボトルを持ってきた。
少し寂しそうにおばさんは笑って、俺の頭を撫でてくれた。
「じゃ、150円だよ」
「はい」
俺は、おばさんにお金を手渡して店の外へでた。
空は、夕日が綺麗に赤く輝いていて家を出てからかなり時間がたってしまったことがわかる。
「全く、変なのにあってしまったよ」
俺はジュースの入った袋を肩に掛けるように持って歩き始めた。
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