序章

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仮想22世紀。 人類の科学の進歩の生贄に地球が差し出され、その時点から人間と地球は荒廃の一途を辿っていた。 地表は餓え乾き、食物は不足し、気温は最低で10℃以上。当然一世紀前に存在した大陸面積の半分程度しか大地は残っていない。 それでも続く人口の増加。 増える人口に反比例するかのように減っていく食糧と土地。 減る端から増えていく食い扶持。 減り続け、もう自然など無いも同然な大地。 人々の心は荒み、穢れ、法や倫理に縛れるようなものでは無くなっていった。 やがて、国は、どこからともなく戦争を始めた。 目的は人口の減少だったのかもしれない。領土を広げたかったのかもしれない。ただ不満のぶつける場所が欲しかっただけなのかもしれない。 しかしそれは人々の憶測だ。今となっては解るわけもない。 こうして、人はまた、世界を戦火に包もうとしているのだ。
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