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歩けば一時間だが、走れば半分の三十分くらいで着くことのできるこの通学路は、普段は気にしてないが、こういう時だけやたら遠いと感じる。
俺の家があるこの大岡県大岡市は、都会でもあり田舎でもある。だが幼い頃からこの土地で生まれた俺は、どこに何があるのかもう大体把握している。
例えば、家と学校を別つようにして流れるタイヨウ川。大きな架け橋があり、散歩コースや釣りにはもってこいだ。
家の近くには空き地や廃墟が多少あり、子供の頃から隠れ家にしてよく遊んでいた。
学校の近くには最新式のおしゃれなカフェや漫画喫茶など、最先端をいく大岡の醍醐味を堪能できる建物が一杯ある。
早い話が、家に近づくほど田舎で静かになり、学校側に近づくほど都会で騒がしくなる。
そんな事を考えていると、周りを住宅街の壁が囲む狭い十字路が見えてきた。
右に行けば普通に学校にいける。左に行けば近道だ。
だがここで、俺の脳内はフル稼働を始めた……!
〔待てよ……こういう遅刻しそうな時、角を曲がった途端美少女にぶつかって、実はその娘が転校生とかいう設(ry〕
悩む。ここは悩みどころだ。
右に行って美少女にぶつかるというテッパンのシーンを選ぶか、早々に学校への近道を使って登校するか……。
1.右に曲がって美少女と……!
2.バカらしい。左に曲がってさっさと学校へ
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