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「今日もやっと授業が終わったな」
と、桜宮高校サッカー部の宮下は言った。
「ああ、でもこれから部活じゃん、だりー。」
同じくサッカー部のサボり魔岩下は宮下にそう返した。
サボっちゃう?笑
けどまあ行っても辛い練習が待ってるってわけじゃないし、皆とも会えるから行くだけ行こうかな!
この会話のやりとりをしている二人が、三年生なのだから、この部が弱小なのも納得がいく。
校舎とは道路を挟んだ向かい側にサッカーグラウンドと部室はある。
いつものように部室をけたたましく豪快に開け、宮下は言った。
チョリース!みんな元気!?
誰も反応しなかった。見渡すと部員はみんなもう集まっているようだった。
なんだよ、ノリ悪いなー、三年生が挨拶してるんだぞ!ちゃんと挨拶しろよ!なあ岩下?
岩下も部室に入るといつのまにか岩下を無視するモードに変わっていたようだった。
ぐだぐだ言ってないで早く準備しろ!
罵声を浴びせるように言い放ったのは、キャプテンのキャプ男だ。歴とした名前だ。そうだ、キャプキャプ男だ、本名だ。
話がそれたようだが、キャプ男がそういうと、宮下も黙り、準備を始めた。
みんなが準備をしていると、顧問とマネージャーが部室に入ってきて、監督がこういった。
やる気出して行くぞー!
そう言っている監督はスーツ姿だ。その側でマネージャーは胸のあたりまで両腕を上げ、強く手を握りしめている。
その二人の様子を部員達は少しの間見てから、各々の準備を始めた。これがこの部のやつらである。
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