第十三章―幾つかの終末―

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話が終わると、二人の間に奇妙な沈黙が舞い降りた。 ヒズミは老人のような白い髪を掻き乱し、無感情に天井を見上げている。 そんなヒズミを見つめながら、飛鳥は理解した。 ――目の前の男の、不自然なまでの感情の起伏の原因を。 「――」 何かを言おうと口を開くが、口にしようとした台詞は声になる前に雲散霧消し、口は自動的に閉じる。 ヒズミという人物の凄惨な過去の話の後では、どんな言葉も力を失うと、飛鳥はそんな気がした。 そうして沈黙は続く。 その中で、ヒズミはゆっくりと目を閉じた。 そして開いた時には、そこにはいつもの凶悪な色が灯る。 「感想は?」 嘲笑するようなその問いに飛鳥は身震いした。 まるでさっきの話は全部作り話だった、とでも言い出しそうな雰囲気すらある。 飛鳥は、答えた。 「そんなの……あるわけない」 「は」 短く、吐き捨てるようにヒズミは笑う。 「なぁ、カワゾエアスカ。オレはこんな酷い目に遭ってきたわけだが、だったらオレもそれをやり返していいとは思わねぇか?」 「それは……」 いいとは思わない。 しかしそれを口にすることは憚られた。
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