第十一章─白い部屋─

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──決まってる。 「……は」 「?」 ──何を迷ってんだ、オレは? 可能性がどうした? 紬さんにも言われたじゃないか。 オレにできることは、ただ逃げないこと。 ならば精々虚勢をはってやろうと、決めたじゃないか。 「二回死んだ? それがどうした?」 「ああぁ?」 怪訝に睨むヒズミに一歩踏み出し、萎縮しそうになる心を奮い立たせる。 「オレはここに──」 胸を叩き、天井を見上げ、何もかもを頭の中から投げ捨てるように、叫んだ。 「オレはここに立って、こうして生きてるぞ!」 怖くはない。 無謀だと笑われてもいい。 ただ、誰一人として逃げ出さずに戦った大切な仲間の場所へ、全てが終わった時に胸を張って帰りたい。 だから逃げない。 そして帰るんだ。 「オーケー。一人ブチ殺し確定だ。そんでお二人さんはどうする?」 唾を吐くようにヒズミが要さんとアインツに視界を移す。 答えたのは要さんだった。 「バカらしいこと聞いてんな。逃げるつもりは更々なかったが、生徒が逃げねぇんじゃ尚更逃げるわけにはいかねぇだろ」 即答だった。 続いてアインツも、邪悪に笑いながら答える。 「正直、小生はどちらでも構わん。しかし、主が是と言うのならば小生も是と言う他あるまいよ」 だがますます気に入った、とアインツは声高らかに笑った。
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