第十一章─白い部屋─

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「はっは! いいねいいねえぇ! 食らいつくじゃねぇかよ!」 ヒズミは大袈裟なくらいに体を仰け反らせて爆笑し、剣を両手に握り直した。 「刺さってくれねぇのなら、せめて削ってやるよ!」 剣が一瞬だけ離れ、直ぐ様真一門に薙いできた。 「く……!」 壁から離れる時間も与えられず、強引に剣で防ぐがやはりヒズミの剣は止まらず、オレの体は壁を抉っていく。 「────!」 皮膚が剥がれ、肉を削がれ、血が線を引く。 瓦礫が刺さり、摩擦で焼かれ、全身が燃えているような錯覚に陥る。 このまま削られて、跡形もなくなってしまうのではないかとさえ思う。 とはいえ防御を怠れば両断されてしまう。 「ギャハハハハハハハ! おら、さっきまでの威勢はどうしたあぁ!」 次の壁に激突し、直角に体が進路を変更した。 尚も全身で壁を削る。 「あ──う──おおあ……!」 呻き声しか出せていない。 地獄のような痛みに麻痺すらしてきた。 剣を握る腕の感覚が薄くなっていく。 グイと、迫る刃との距離が一気に縮んだ。
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