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オレは右から、要さんは左手から剣を薙ぎ、アインツは真正面から巨大化した爪を降り下ろした。
ヒズミは大いに唇を裂き、大いに笑った。
剣を逆手に持ち変え、翳すように前に出した。
それでオレと要さんの斬撃を受け止めた。
さらに、上を向いている柄頭でアインツの爪を防ぐ。
「っ!」
三つの攻撃をたった一振りの剣で、完膚なきまでに受け止められてしまった。
その事実に僅かに動揺し、それに気が付いた時には吹き飛ばされていた。
「──っの野郎……!」
全身で床を引っ掻いてブレーキをかける。
そのまま獣のように、さらに跳躍した。
「遅ぇ!」
しかし、オレが攻撃を仕掛けるより先にこめかみを爪先で蹴り抜かれた。
「~っ!」
脳が激しく揺れる。
意識が一瞬で何度も跳びかける。
「……寝て──」
一度体がバウンドし、床を殴り付けてその衝撃で起き上がる。
「られっかあああぁ!」
声を、体を──魂をも奮い立たせてやる。
血反吐を吐き、さらにスピードを上げんと足に全霊の力を注ぎ込む。
──もっと速く。速く。速く。誰にも追いつけないほどに速く。
もっとスピードを上げろ。体が張り裂けたって構うものか。
裂ければ、その時に考えればいい!
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