第十一章─白い部屋─

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「まだ行けるか?」 「……──」 一度深呼吸をし、体内でさらに魔力を練り上げる。 「当たり……前じゃないですか……!」 「よし」 肩から手を離し、要さんはヒズミへと突進した。 アインツもそれに続く。 「……」 ──魔力がない。 術なんて到底使えないし、龍の腕も出せやしない。 ──そんなことなど知ったことか。 魔力なんて結局、オレ自身が自分で使ったり回復させている代物だ。 ──だったら、この場で、無理矢理回復させて、無理矢理引きずり出して無理矢理行使してやる。 それができないなんて誰が決めた! 「まだ……まだだ──こんなんじゃ、全然足りねぇんだよ!」 魔力を駆け巡らせ、強引に魔力をほじくりだしてやる。 ゴミのような量でもいい。 使えさえすれば。 ──魔力とは、本来は人体に有害である。 こんな強引な手段を使えば、当然のように体は痛んでいく。 実際の傷もあり、もう立つことすら難しくもある。 だが、着実に魔力は貯まっていく。 「──!」 床を蹴る。 凄まじい追い風に追われ、視界すらも霞む。 傷がとてつもないスピードで増えていき、もう感覚すらあまりない。
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