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「な──」
要さんとアインツが飛び退き、そしてオレはヒズミへと剣を叩きつけた。
小手先の技などかなぐり捨てて、ただ力任せに。
「──にぃ……!?」
ヒズミの剣に亀裂が走った。
しかしそれは破壊には至らず、一瞬で修復されてしまう。
ただ、ヒズミの顔から余裕の色が消えた。
「鬱陶……しいんだよ、カスがあぁ!」
薙ぎ払われ、オレは床を転がる。
血が吹き出し、床が真っ赤な線を引いていくのが見えた。
しかしそれはすぐに止まり、オレの体は上空へと放り出されていた。
「乗れ、川添!」
「!?」
拾い、放り投げていたのは要さんらしかった。
下を見ると、要さんが天之尾羽張に雷を纏わせ、それに乗るようにと示していた。
──要さんが何をする気なのかを悟り、落下しながら体を回転させた。
「絞りカスの魔力、全部くれてやる。ビビんなよ」
「はい!」
要さんの剣の上に着地し、要さんを軸にギュルリと回転する。
「さぁ」
足元が凄まじい雷を放つ。
しかし痛くはない。熱くもない。
まるで雷そのものになったように、自然にその場にオレはいる。
「行って来い!」
発射された巨大な雷の奔流。
オレはそれと一体になり、全身に回していた魔力を全て血染めの剣へと注ぎ込んだ。
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