第十一章─白い部屋─

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「だがしばらくは動けぬだろう。手心を加えたとは言え、それだけのダメージは与えたはずだ」 「この有り様じゃ説得力ゼロじゃねぇかよ」 アインツがしたことは、単純にヒズミを叩きつけたことだけ。 それだけでこの空間の崩壊一歩手前にまで破壊されたのだ。 死んだと言われた方がまだ説得力がある。 改めて土煙を見つめ、そして小さく息をつ── 「マテリアル・スリー」 「っ!」 瞬間、光の輪が土煙の中心から伸び、一帯を明るく照らし出した。 それが終わると輪は土煙の中に戻り、やがて消える。 「消えろ」 小さな、静かな命令。 それに従い、大量の土煙が一瞬にして消えてしまった。 「は──!?」 いた。 立っていた。 平然と。 そこに。 「マジで情けねぇ。死にかけたぜ」 顔は血で真っ赤に塗り潰されてはいるのだが、笑っている。 凶悪に、邪悪に、残虐に、笑っている。 指先をオレたちに伸ばし、命じる。 「潰せ」 「が──!」 急に全身に何か重いものがのし掛かり、指先すら動かせないようになってしまう。 すぐ横では、要さんもアインツも何かに押し潰され、床に叩きつけられる。 「な──んだ……これは……!?」
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