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気がつくとひたすらに白い空間に立っていた。
さっきまでいた場所も真っ白だったが、しかしここはそこの比ではない。
既視感バリバリの果てなく続く白色の中に、オレはいた。
「ここは……天使の歌の中か?」
はて、いつの間に入り込んだのだろうか?
随分と久し振りだが、自分から入った覚えはない。
白色以外に何も存在しないこの空間では、ここは自分の中でもあるのに自分が異物に思えてくる。
「……はぁ」
手を伸ばし、膝を曲げ、首を回して体の動作を確認。
傷はこちらには持ち越していないようだ。
さて、どうしてオレはここにいるのだろうか?
前までは里桜さんに呼ばれて出入りしていたが、今はその里桜さんはいない。
だが、間違いなく何もしていない。
現実のオレは、恐らく絶賛瓦礫の下敷き中。
こうして意識があるのだから死んではいないだろうが。
どちらにしろ、ここに入る余裕は無意識だったとしてもなさそうだ。
「どうなってんだ?」
頭を掻き、現状を整理してみようとするがまるでうまくいかない。
とりあえず座ろうとその場に腰を下ろした。
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