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  「だいじょうぶ。きっとうまくいくよ」  根拠のない自信を盾に、なぎさはにこにことほほ笑んでいった。ぶーちゃんは照れくさそうに、ぽりぽりと鼻の頭をかいてうつむく。 「それより」なぎさがちらりとぼくをみた。 「心配なのは瞬たんの方かな」  上から目線の、挑発的な微笑。生意気そうにみえて、どこかあたたかみと優しさを感じるのは、ぼくが彼女のことを深く知っているからだ。 「ぼくはだいじょうぶさ。うまくやれる」 「またそれ。自信家なのは瞬たんのいいところかもしれないけれど、それって裏を返せば能天気ってことでしょう。もう真剣に考えなきゃ」 「そもそも、なにがだいじょうぶで、なにがうまくやれるのかも、あたしたちには不明だけどねー」  また風花だ。楔を打ち込むように、ぼくとなぎさのあいだに割り込んできた。ほんの数秒まえまで、ぶーちゃんで遊んでいたはずなのに。飽きるとすぐに次へいく。風のように自由な女の子。そんなひょうひょうとしたところも、ぼくは意外と好きだったりするのだ。
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