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  「ひとの彼女を“たん”付けで呼ぶのはやめたまえ」 「はぐらかさないで。あかねたんはなんていってるの」  はぐらかしてなどいない。だいじなことだと思う。ついでにいえば、あかねの真似をして、ぼくを「瞬たん」と呼ぶのもやめてほしい。 「あかねはべつになにも」 「えーっ。なにもいわないの」風花が驚いて口を挟む。 「淡泊っていうか、無関心っていうか」 「ぼくの人生なんだから、ぼくの生きたいように生きればいい。あかねは笑ってそういった」  一同から感心したようなため息がもれた。「やっぱり大人ねえ」風花はしきりにうなずいている。 「家のひとはなんていってるの」  あかねの次は家族か。なぎさはなぜこうも周囲の声を気にするのだろう。それが彼女のキャラクターだといってしまえばそれまでだけれど。
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