杏雫の気持ち

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「勇也ぁ、起きてるぅ?」 杏雫との話が一段落ついたところに、タイミングを見計らったように、部屋にお袋が入ってきた。 つか、ノックくらいしてください…… 「あれ?杏雫ちゃん来てたんだ!」 「ん~来てたっていうか、昨日の夜から帰ってないんです♪」 「じゃあまさか!勇也と一緒に寝たの!?」 「はい!」 杏雫が元気よく返事をした途端、お袋は、顔をニマァっと歪めて俺と杏奈を交互に見てきた。 なんなんだよ…… 「付き合ってるのは知ってたけど、2人とも結構大胆ねぇ♪」 「なっ!」 この野郎。 いきなり何てこと言いやがる。 別に昨日の夜にお袋が考えてるようなやましい事なんか…… 「あらあら、シーツにべっとり血付けちゃって♪」 「……」 思いっきりしてたわ。 俺の記憶にはないけど、この光景を見れば一目瞭然だ。 「ま、これからも仲良くしなさい!お二人さん♪」 「はぁ~い♪」 「おぅ。」 まぁやっぱり、さっき俺が気にしていたことは徒労に終わった。
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