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酒の飲み過ぎで爆睡しているお袋の代わりに、真奈が準備してくれた朝飯を杏雫と食べていると、杏雫が不意に甘えた声を出してきた。
「ねぇ勇也ぁ♪」
「ん?」
「お休みの日、恋人は何をするかわかる?」
「休みの日に?」
何すんだろ?
当然だが、俺は今まで誰かと付き合った経験は無いし、杏奈を好きではあったが、付き合えるなんて思ってなかったから、付き合った後の事なんか考えた事もなかった。
でも……
「♪」
こんな嬉しそうな杏雫にそんな事は言えない。
ここは杏雫の気持ちになって……デート?
「デートか?」
ぽっと頭に浮かんだ単語を口にしてみた。
「そうそう!鈍い勇也がよくわかったね♪」
「お前、俺のこと好きなんだよな?」
「好きだよ!愛してる!」
「なら、いいんだけどな……」
たまに不意に繰り出される心無い言葉に、杏雫の気持ちを信じられないときがある……
「まぁまぁ!何を気落ちしてるか知らないけど、行こうよ!デート!」
「まぁ、杏雫がそう言うなら。」
「やった!」
杏雫とデートに行けるのは嬉しいけど、ぶっちゃけ、デートって何すりゃいいんだ?
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