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「う~ん。」
俺は、一人部屋で思い悩んでいた。
なぜなら「とびっきりお洒落してきてね!それから、思いっきり楽しませてね♪」と、杏雫に言われたからだ。
お洒落と言われても、俺が持っている服は全部似たり寄ったりだし、何よりも、杏雫を思いっきり楽しませてあげられる自信がない……
「お兄ちゃん、何を唸ってるの?」
何の前触れもなく、真奈が部屋に入ってきた。
真奈ちゃん、俺もお年頃何ですよ?
「真奈、ノックくらいしろよな?」
「はいはい、でも、廊下まで唸り声が聞こえたから気になってさ。」
「……ちょっと、悩んでんだよ。」
「何を?」
真奈になら相談してもいいか。
よくファッション雑誌とか読んでるし、服の事とか詳しそうだもんな。
「デートに行くから、おしゃれしてこいって言われたんだけど、何着てけばいいのかわかんなくてよ。」
「お兄ちゃんが持ってる服なんか大して代わり映えしないでしょ?どれだって一緒だよ。」
「でもさぁ…」
「はぁ~。」
真奈は、溜め息を付きながらも、俺の服を見繕ってくれた。
「これなら結構イケてると思うよ?」
「さ、サンキュー!」
俺は、真奈に選んでもらった服に着替えながら、もう一つの疑問をぶつけてみた。
「なぁ、女の子ってデートでどんな事したいんだ?」
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