杏雫の気持ち

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「まずはここ!」 「マジすか……」 杏雫に連れられやってきたのは、桜華学園の近くにある、女子高生御用達のお洒落な喫茶店だった。 まぁ簡単に言えば、俺みたいな野郎には全く縁がない店……のはずだった。 「ね!早く入ろっ!」 「なぁ、こういう店って、俺なんかが入っちゃいけないんじゃ?」 「今さら何?今日はあたしの行きたいとこ付き合ってくれるんじゃないの?」 「まぁそうだけど……」 「じゃぁ行こう!」 俺は、杏雫に手をひかれ、情けない姿で入店した。 どうにでもなりやがれ…… 「わぁ~!イメージ通り!あたしここ来たかったんだよねぇ♪」 店内は可愛らしい内装で、女の子が好きそうな小物がたくさん置かれていた。 そして、やっぱり店内は女の子だらけだった。 休日ということもあり、女子高生だけじゃなく、OLらしきお姉さん達もたくさん見てとれた。 「あたし以外の女の子に見とれたりしないでね?」 「しねぇっての。」 「したらあたししか見れなくなる魔法をかけちゃうんだから♪」 杏雫の口から出た「あたししか見れなくなる魔法」今でも十分その魔法にかかっている気がするが、あんな言い方をされたら、もう一回魔法をかけ直してもらってもいいかなぁなんて思ってしまった……
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