杏雫の気持ち

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喫茶店を出た俺と杏雫は、喫茶店から1キロくらい離れた場所にある洋服チェーン店にやってきた。 杏雫曰く、「勇也は半端に高いだけの服を着るより、こういう店の服をラフに着こなした方が似合うよ!」との事だった。 俺のファッションセンスはほぼ皆無だし、杏雫がそう言うのだからそうなのだろう。 「勇也は左右非対称な服が似合うと思うんだよね♪」 「そうなのか?」 「素直じゃない感じがぴったり!」 「お前、たまに酷い事言うよな。」 なんて会話をしながらも、杏雫はちゃんと服を選んでくれていた。 ホントに左右非対称の服だったけど……。 「これ着てみてよ!」 「マジかよ?」 「マジマジ!絶対似合うって!」 杏雫が最初に選んでくれたのは、今まで手をつけようとすら思わなかった刺繍がたくさん施された派手なものだった。 ホントに似合うのか? 「早く早く♪」 「押すなっての!」 俺は、杏雫に無理やり試着室に押し込められ、強制的に着替えさせられた。 俺、弱いなぁ…… 「やっぱり似合うじゃん!」 「そうか?」 「うん!」 まぁ俺のセンスがないのはわかってるし、パーフェクト美少女の杏雫がいいって言うんだから間違いないよな?な?
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