杏雫の価値

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デートの翌日、午前8時。 俺は、深い眠りからようやく覚めた。 学校がない時はこれくらいの時間になっちまうんだよな…… にしても、昨日のデートで俺は痛感した。 自分が杏雫と全くつりあって無い事を。 そのままでいい、杏雫はそう言ってくれたが、俺としてはやっぱりかっこいい彼氏でありたい。 これから高校に通うにしても、杏雫は間違いなくモテるだろう。 そんな杏雫の彼氏が、あまりにひどいダサ男というわけにはいかないだろう。 俺は無意識のうちに杏雫の家の方を見た。 杏雫の部屋は、俺の部屋からちょうど見える位置(杏雫の部屋からも俺の部屋は見える)で、杏雫が何をしているのか見ようと思ったのだが、すでに杏雫の部屋はもぬけの空だった。 春休みなのに、朝早くどこいってんだ? 居間でテレビでも見てんのかな? まぁいつまでも呆けててもしょうがないし、俺も起きるとするか。 そう思い俺は、ベッドから飛び起きリビングに向かった。
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