杏雫の価値

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「ふっふっふ~ん♪」 リビングのドアの前に立つと、とても期限がよさそうな鼻歌が聞こえてきた。 真奈か? こんなに朝早くからいい事でもあったのか? 「おはよ。」 いつものノリでリビングに入った俺は、かなり意表を突かれた。 なぜなら…… 「あ!おはよ!勇也!」 「杏雫!?」 我が彼女であるパーフェクト美少女の杏雫が、リビングの隣にあるキッチンで、鼻歌交じりに料理をしていたからだ。 俺の予想は大外れだな。 「何してるわけ?」 「む!それが彼女に対する態度!?せっかく早起きしてあんたの朝ごはん作りに来てあげたのに!」 「マジか!」 「マジよ!」 「そりゃ楽しみだなぁ~♪早くできないかなぁ~♪」 「あ、あんまり期待しないでね?」 さっきはすごい剣幕で怒っていたくせに、俺の一言を聞いただけで、顔を真っ赤ににして恥ずかしそうにしている。 可愛いなぁ♪ 「……」 「ん?おぉ真奈。おはよ。」 「おはよ。」 気がつくと、いつの間にか俺の前に立っていた真奈が、じとっとした目で俺を見ていた。 何なんだよ? 「俺、何かした?」 「いや、顔がゆるゆるでだらしないなぁと思って。」 「……だいぶショックなんですけど。」 いくら妹でも、言っていい事と悪いことがあるよね?
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