杏雫の価値

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杏雫が作ってくれたのは、いい感じに焼けたトーストにベーコンエッグ、可愛らしいたこさんウインナーとミネストローネだった。 素晴らしく理想的な朝ごはんっつうか、めっちゃうまそうだ! 「じゃぁいただきます。ん~おいし~♪」 「……」 まさかの真奈のフライングだった。 妥当にいけば、俺が一番最初に食べるべきじゃねぇの? 「真奈、お前空気読めよ。」 「なんのこと?」 「普通俺が先に食べるべきだろ?」 「はぁ。小さいなぁ。」 確かにそうかもしてないけど、やっぱり大好きな彼女の料理くらい最初に食べたいじゃん ? 「ほら勇也、そんなにいじけてないで!はい、あ~ん……」 「あ~んってお前……」 「ん?付き合ってるんだからこれくらい当然だよ?それに将来的には結婚するし!だからあ~ん♪」 そう言って杏雫は、たこさんウインナーを俺の口元に持ってきた。 俺の恥ずかしさの原因である真奈の方を一瞥すると、私は何も見てません的な顔をしてくれていた。 これなら、別に大丈夫かもな…… 俺は意を決して、杏雫が差し出してくれたたこさんウインナーを頬張った。 「あ、あ~ん……」 「おいしい?」 「うん、うまいよ。」 「よかったぁ♪」 ま、どんな料理だったとしても、杏雫が作ってくれたってだけでどんな料理よりもおいしいんだけどな。
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