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杏雫の着替えが終わった後、もう一度横になる気にはなれず、リビングでゲームをしていた。
「にしてもさぁ、勇也ってホントに雰囲気が大事なんだね。」
「どういうことだよ?」
「初めてしたときはすっごく激しかったのに、今回はすごく初心な感じだったもんね。今度はいつできるのかな……」
そんな事を本気で寂しそうに言われてもなぁ。
「……」
ふと横に目を向けると、ソファーでファッション誌を読んでいた真奈が憐れむように杏雫を見ていた。
やっぱ、女の子からすると彼氏がへたレっていうのは致命的なんだな……
「杏雫。」
「なに?」
「ホテルでも行くか?」
「「!!!!!」」
俺の言葉を聞いた瞬間、杏雫と真奈は、目を見開いて驚いていた。
俺、そんなに変なこと言った?
そういうこと求められてたんじゃないの?
「ほ、ほほホテルってまだあたし達中学生だよ!?」
「そ、そうだよ!だいたい!お兄ちゃんそんなにお金持ってるの!?」
「貯金をおろせばそれくらいは。」
「普通に勇也の部屋でいいから!そこまでは望んでないから!」
俺はかなり真剣に考えて発言したんだが、ことごとく杏雫と真奈に全否定された。
なんで?
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