杏雫の価値

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リビングに入ると、真奈はいつも通り紅茶を飲みながらお気に入りのファッション誌を見ていた。 よく飽きないなとも思うが、今はそっちじゃない。 「なぁ真奈。」 「何?」 「犯されてる杏雫の声聞いてどう思った?」 「ブーっ!」 「ちょちょちょ、ちょっと勇也!もっと言い方ってものがあるんじゃないの!?」 俺が真奈に例の質問をぶつけた途端、真奈は紅茶を吹き出し、杏雫は顔をゆでダコみたいに真っ赤にしていた。 真奈はともかく、杏雫とは打ち合わせした通りじゃねぇか? 「い、妹になんてこと聞いてんのよ!?」 「そ、そうだよ勇也!やっぱりやめようってこんなの!」 「真奈は俺なんかよりはるかに大人だから大丈夫だって!んで、どう思ったよ?」 「ば……」 「ば?」 「馬鹿ぁぁぁぁぁぁあ!!!!」 「うおっ!」 真奈は、体の一部と言っても過言ではないファッション誌を放り投げ、顔を真っ赤にしてリビングを出て行った。 なんで? 「勇也、もう少し女の子の気持ちとか勉強しようね?」 「?」 俺、そんなに変な事言ったかな?
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