杏雫の価値

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「はぁ。何やってんだ俺は……」 あの後俺は、真奈に少し考えさせてくれと告げ、自分の部屋に戻った。 きっぱり断れないあたり、自分の優柔不断さに呆れるぜ。 「あ。」 ベッドに座って頭を抱えていたら、自分の部屋から心配そうにこっちを見ている杏雫が目に入った。 そんな顔をするなと言いたいところだが、俺がこんな格好してたらしょうがないよな。 ピピピピピピッ! 杏雫からの着信だ。 何を話そうかと悩んでいる間もなく、杏雫が早く出ろって感じのジェスチャーをしてきた。 「もしもし。」 『もしもし勇也。なんかあったの?』 「まぁちょっとな。」 『真奈ちゃんのことだよね。話してくれる?』 「いいけど、大事な話だから、こっち来てくれるか?」 『わかった。じゃあ窓開けて。』 「は?」 『いいから。』 俺は、杏雫に言われた通り、部屋の窓を開けた。 まさか…… 「ちゃんと受け止めてね?えいっ!」 「ちょっ!」 やっぱりと言うかなんというか、杏雫は自分の部屋からこっちの部屋に窓から入ってきた。 もちろん俺は受け止めましたよ?
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