635人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
「はぁ。何やってんだ俺は……」
あの後俺は、真奈に少し考えさせてくれと告げ、自分の部屋に戻った。
きっぱり断れないあたり、自分の優柔不断さに呆れるぜ。
「あ。」
ベッドに座って頭を抱えていたら、自分の部屋から心配そうにこっちを見ている杏雫が目に入った。
そんな顔をするなと言いたいところだが、俺がこんな格好してたらしょうがないよな。
ピピピピピピッ!
杏雫からの着信だ。
何を話そうかと悩んでいる間もなく、杏雫が早く出ろって感じのジェスチャーをしてきた。
「もしもし。」
『もしもし勇也。なんかあったの?』
「まぁちょっとな。」
『真奈ちゃんのことだよね。話してくれる?』
「いいけど、大事な話だから、こっち来てくれるか?」
『わかった。じゃあ窓開けて。』
「は?」
『いいから。』
俺は、杏雫に言われた通り、部屋の窓を開けた。
まさか……
「ちゃんと受け止めてね?えいっ!」
「ちょっ!」
やっぱりと言うかなんというか、杏雫は自分の部屋からこっちの部屋に窓から入ってきた。
もちろん俺は受け止めましたよ?
最初のコメントを投稿しよう!