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杏雫とこれからの事を話そうと思っていたら、何の前触れもなく部屋のドアが開いた。
「やっぱり。」
「真奈!?」
入って来たのは、普段と違って暗~い目をした真奈だった。
さっきの話の後なら、なんで真奈がそんな目をしているのか理解できる。
ベッドの上で俺と杏雫が抱き合っている光景、見方によっては、これから行為を行うようにも見えるだろう。
「杏雫ちゃん。」
「何?」
「その場所変わって。」
「嫌。勇也はあたしのだもん。」
「あたしの気持ち知ってたくせに。」
「お互い様だもん。」
全然話が進まない。
つか、お互いの気持ちをぶつけるのは大変結構なんだが、俺の意見は加味してくれないのかな?
「勇也は、あたしの!」
「私のだもん!」
「一回落ち着けお前ら。」
俺が口を挟んだ瞬間、真奈と杏雫がキッとこちらを睨んだ。
すっげぇ怖いんですけど……
「「勇也(お兄ちゃん)はどっちが好きなの!?」」
「え、あ……」
こう来ることは全く予想できなかった。
俺、アホすぎる……
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