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あまり大っぴらにできないのだが、神原家と井上家の飲み会では、俺達未成年も飲酒が許されている。
杏雫と真奈はいつも手をつけないんだが、俺はいつも飲んでしまう。
なぜなら……
「勇也ぁ。もっと飲めって!」
「いただきます。」
杏雫のお父さんが、ガンガングラスに酒を注いでくるからだ。
正直、今日は飲みすぎなのを実感している。
さっきから眠気が半端じゃないし、頭がぐらぐらする……
「ちょっとお父さん!勇也にお酒飲ませすぎだよ!あたし勇也のこと部屋に連れてくから!勇也!いくよ!」
「おぅ。悪いな。」
「なんだよ。将来的に親子になるんだからいいじゃねぇか。」
杏雫のお父さんは何かぼやいていたが、俺と杏雫は無視して部屋に向かった。
「勇也、ごめんね?」
「別に杏雫は悪かねぇだろ。つか、頭ぐらぐらするからもう寝るな。」
「うん。じゃああんたが寝たら、あたしは戻るね。」
「おぅ。」
「おやすみ。勇也……」
そして俺は、杏雫の顔を見ながら眠りに落ちた……
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