杏雫の価値

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「ふふっ、お兄ちゃん可愛い♪」 「……」 数分後、俺は杏雫への罪悪感でいっぱいだった。 半ば強引だったが、真奈としてしまったわけであって、最低と言われても言い訳の一つもできない…… 「ねぇねぇ、真奈と杏雫ちゃんどっちが上手だった?」 「しらね。」 「冷たいなぁ。私彼女だよ?付き合ってるんだよ?」 「はいはい。」 いつもは可愛い妹だが、今は隣で横になっている真奈が憎たらしい。 だけど、俺は真奈の始めてをもらってしまったわけで、そんな自分も憎たらしい。 「今から何する?」 「何にもする気起きねぇなぁ。」 「……ねぇお兄ちゃん。何もしなくていいから、せめていつもみたいにしてよ。勢いに任せてあんなことしたのは謝るからさ。」 そう言った真奈の目には、涙が浮かんでいた。 ちょっと冷たくしすぎたか? 真奈にも悪気があったわけじゃないんだもんな…… 「わりぃわりぃ、悪かった。別に怒ってるわけじゃないんだから泣くなよ。な?」 「うん。お兄ちゃん、大好き……」
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