最悪のスタート

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あの後、何か一緒にするわけでなく、俺はゲームを再開して、杏雫はそれを横で見てたんだっけ。 「ねぇ、勇也君?」 「何?」 「それ、難しい?」 杏雫が言うそれとは、俺がやっていたレーシングゲームだった。 ゲームしたこと無いのかな? 「杏雫ちゃん、ゲームしたことある?」 「ないよ。」 「じゃあ、多分難しいと思うぜ?」 「あたしのこと馬鹿にしたでしょ?これくらい出来るもん!」 「じゃあ、はい。」 おとなしかったけど、この頃から負けず嫌いだったのはよく覚えてる。 それで俺は、なかば呆れながら杏雫にコントローラーを渡したんだっけ。 「勇也君ビックリするよ!あたしの才能に!」 そう言って、杏雫は勢いよくスタートしたが、コースアウトばっかりで、まったくレースになんなかったんだよな……
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