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23時55分。
泣き崩れた杏雫を抱きしめているうちに、そんな時間になっていた。
「もうすぐ、交代の時間か……」
「まぁ、な。」
「ははっ、自分で勇也の提案を快諾したのに、いざとなると辛いなぁ……」
杏雫は、より強く俺を抱き締めてきた。
俺、抱きしめ返していいのか?
「さっきは急かしちゃったけど、ゆっくりでもいい。あたしとの約束思い出してね?」
「……ああ。」
「あたし、勇也のこと信じてるから、いつまでも待ってるよ。じゃあ、時間だからいくね。お休み!」
「おぅ。」
あれだけ泣いていたのに、最後は杏雫らしく元気に部屋を出て行った。
約束は、まだ思い出せないけど、俺の答えは出そうだよ……
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