アルバム

6/17
前へ
/162ページ
次へ
昨日の今日で、沈んだ空気はなかなか直らないんじゃないかと思っていたんだが、杏雫の配慮のおかげで、思っていたより早く空気は回復した。 「仮病ってことは、普通におなか空いてるわよね?」 「まぁな。朝飯も食べてねぇし。」 「じゃあ、せっかくだからこれ食べてよ。」 そう言って杏雫が手渡してきたのは、さっきの買い物袋だった。 中身は、ゼリーにスポーツドリンク、玉うどん……病人食? 「なぁ杏雫、俺、バリバリ健康なんだけど?」 「でも学校休んだじゃない?学校休んだんだから、ちゃんとこういうもの食べなきゃダメでしょ?」 「なんだよその理由!?」 「くすっ♪勇也かわいい♪お粥作ってくるから待っててね。」 発狂する俺をスルーして、杏雫はキッチンに行ってしまった。 無音の部屋って、寂しいな……
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

635人が本棚に入れています
本棚に追加