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昨日の今日で、沈んだ空気はなかなか直らないんじゃないかと思っていたんだが、杏雫の配慮のおかげで、思っていたより早く空気は回復した。
「仮病ってことは、普通におなか空いてるわよね?」
「まぁな。朝飯も食べてねぇし。」
「じゃあ、せっかくだからこれ食べてよ。」
そう言って杏雫が手渡してきたのは、さっきの買い物袋だった。
中身は、ゼリーにスポーツドリンク、玉うどん……病人食?
「なぁ杏雫、俺、バリバリ健康なんだけど?」
「でも学校休んだじゃない?学校休んだんだから、ちゃんとこういうもの食べなきゃダメでしょ?」
「なんだよその理由!?」
「くすっ♪勇也かわいい♪お粥作ってくるから待っててね。」
発狂する俺をスルーして、杏雫はキッチンに行ってしまった。
無音の部屋って、寂しいな……
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