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「おまたせ~♪」 約15分後に、杏雫は土鍋を持って俺の部屋に戻ってきた。 つか、母さんのエプロン付けてるんだけど、付ける人が違うとあんなに別物になるのか? 「何あたしのエプロン姿に見とれてるの?」 「読心術っ!?」 「はぁ。心なんか読まなくたって、顔に出てたわよ。」 杏雫は、呆れた顔をしながら、おかゆを蓮華ですくい、息を吹きかけ軽く冷ました後、俺の口元に持ってきてくれた。 「勇也。はい、あ~ん。」 「いや、自分で食えるから!つか、今日は一応真奈の日だから!」 「むぅ~!はい!あ~ん!」 俺が真奈の名前を出した途端、杏雫はムッとして、蓮華を下げるどころか、さらに突き出してきた。 ここは素直にいただいたほうがいいかな。 そう思い俺は、杏雫が作ってくれたお粥を口に入れた。 「美味しい?」 「ああ。さすが杏雫だな。」 「ふふっ♪ならよかった。はい、あ~ん。」 「あ、あ~ん。」 結局、開き直った俺は、土鍋のお粥全部を杏雫に食べさせてもらった。
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