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「今何隠したわけ?」
告白しに来たんだが、今の杏雫のおかしな行動は気になる。
杏雫に限ってないと思うが、危ないものだったら困る。
「内緒!」
「俺に?」
「勇也にっていうか、勇也だけには見せられないっていうか……」
何だよそれ?
浮気?
それこそ杏雫に限ってないだろ。
いやでも、最近の俺の優柔不断な態度に嫌気がさしたとか?
でも、今日キスしてくれたし……もぅわかんねぇ!!!
「いいから貸せって!」
「ちょっ!勇也!」
俺は、若干無理やりだったが、杏雫が隠したそれを奪い取った。
アルバム?
「なんだこれ?」
「何って、そのぉ……勇也との、思い出のアルバム。」
「俺との?」
アルバムの中を見てみると、初めて会った日から今までの写真が綺麗に整理されて入っていた。
「杏雫……」
「心が折れそうになると、いつも見ちゃうんだ。」
「そっか……」
杏雫は、困ったように笑って、胸元で手を組んだ。
これは、俺に好きなようにしていいよって時の仕草だ。
つまり、しっかり中を確認していいって事か……
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