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「君が好きです。俺と付き合ってください」
季節は桜が舞い散るピンク色の春。
桜の花びらがひらひらと舞い散る桜の木の下で、私は一つ年上の先輩に告白された。
名前も知らない先輩に告白された私はひどく驚いた。
そして何故私なのか、と疑問も持った。
しかし、そんな私には構わずに真剣な表情で先輩は私を見ていて、その真剣さが凄くかっこよく見えた。
私と先輩との視線が交わる。その視線の間に桜の花びらがひらひらと舞い落ちる。
先輩の目に…。
逸らすことができない…。
そして、先輩を見つめながら思ったのだ。
この人なら、私を裏切らないだろう
と。
先輩を信じて私は顔を綻ばせ、
「はい、私で良ければお付き合いさせてください」
と、告白の返事を口にした。
先輩はよっしゃーと言わんばかりに凄く喜んで、私をぎゅっと抱きしめた。
少しびっくりした私だったけれど、先輩の大きな背中にそっと、手を回したのだった。
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